「非上場」と「未上場」の違いとは?意味やメリット・デメリットを徹底解説!

「非上場企業」と「未上場企業」、どちらも株式市場に公開されていない企業ですが、実はこの2つの言葉には明確な違いがあります。

ビジネスニュースや投資情報を見ていると、「この企業は未上場だから投資できない」「非上場のまま経営を続けるのが戦略的に正しいのか?」といった話題が出ることがあります。

しかし、具体的に「非上場」と「未上場」の違いを説明できる人は意外と少ないのではないでしょうか?

この記事では、非上場企業と未上場企業の違いをわかりやすく解説し、それぞれのメリット・デメリット、資金調達方法、上場の是非について詳しく紹介します。

「これから起業を考えている方」「未上場企業への投資を検討している方」「自社の上場を迷っている経営者の方」にとって、役立つ情報をまとめましたので、ぜひ最後まで読んでみてください!

目次

非上場と未上場の違いとは?基本的な意味を解説

「非上場」と「未上場」はどう違う?

「非上場」と「未上場」は、どちらも証券取引所に株式を公開していない企業を指しますが、その意味には違いがあります。

  • 非上場企業:最初から上場する意思がない、または上場していたがやめた企業
  • 未上場企業:まだ上場していない企業(将来的に上場する可能性がある)

例えば、サントリーやYKKのような企業は「非上場」です。

一方で、IPO(新規株式公開)を目指して準備を進めているベンチャー企業などは「未上場」と呼ばれます。

非上場企業の特徴とは?

非上場企業は、証券取引所に株を公開していないため、株式市場の影響を受けにくいのが特徴です。

そのため、経営者が自分たちの方針で自由に事業運営をすることができます。

また、株主が限られるため、短期的な利益を求められるプレッシャーが少なく、長期的な視点での経営が可能です。

しかし、資金調達の手段が限られるというデメリットもあります。

未上場企業の特徴とは?

未上場企業は、まだ証券取引所に上場していない企業のことを指しますが、将来的に上場を目指しているケースが多いのが特徴です。

特にスタートアップやベンチャー企業では、事業を成長させるために資金調達を行い、上場を目指すことが一般的です。

しかし、未上場の段階では企業の信用力が低く、銀行融資などの資金調達が難しいこともあります。

上場企業との違いは?

上場企業と非上場・未上場企業の違いを簡単にまとめると、以下のようになります。

企業区分 定義 特徴
上場企業 証券取引所に株式を公開している企業 資金調達がしやすいが、株主の意向に左右されやすい
非上場企業 上場する意思がない、または上場をやめた企業 経営の自由度が高いが、資金調達が難しい
未上場企業 まだ上場していない企業 将来的に上場を目指す可能性がある

非上場・未上場の企業例

具体的な企業例を見てみましょう。

  • 非上場企業:サントリー、YKK、ロッテ
  • 未上場企業:スタートアップや成長途中のベンチャー企業(例:AI関連企業やフィンテック企業など)

非上場企業のメリットとデメリット

非上場のメリット① 経営の自由度が高い

非上場企業の最大のメリットは、経営の自由度が高いことです。

上場企業は、株式市場で株主が自由に売買できるため、多くの投資家が株主になります。

そのため、経営者は株主の意向を無視することが難しく、短期的な利益を重視した経営を求められることが多くなります。

特に四半期ごとの決算報告や配当政策など、株主を意識した経営が求められるのが一般的です。

一方で、非上場企業は、株主の数が限られており、経営者が長期的な視点で意思決定を行いやすいという特徴があります。

例えば、新しい事業に挑戦したり、社員の教育に力を入れたりと、短期的な利益にとらわれない柔軟な経営が可能です。

また、非上場企業は経営の方針を迅速に変更できるため、市場の変化に柔軟に対応できる点もメリットです。

上場企業では、株主総会の承認が必要なケースが多く、意思決定に時間がかかることがありますが、非上場企業は経営陣の判断で素早く行動できます。

非上場のメリット② 株主の影響を受けにくい

上場企業では、大株主の意向が経営に大きく影響することがあります。

特に、アクティビスト(物言う株主)と呼ばれる投資家が企業の経営に干渉し、配当の増加や事業の売却などを要求するケースが増えています。

しかし、非上場企業は株主が限られており、多くの場合、創業者や経営陣が株を保有しているため、株主の意向に左右されることが少ないのです。

例えば、サントリーは非上場企業ですが、これは創業家が経営をコントロールし続けるための戦略の一つです。

株主が増えると、企業の理念や方向性がブレる可能性があるため、非上場のまま経営の安定性を確保しています。

また、敵対的買収(TOB:株式公開買付)のリスクも低くなります。

上場企業の場合、外部の企業が株式を大量に取得し、経営権を奪う可能性がありますが、非上場企業ではそのようなリスクを防ぐことができます。

非上場のデメリット① 資金調達が難しい

非上場企業の最大の課題は、資金調達の選択肢が限られることです。

上場企業は、株式市場を通じて新たな投資家から資金を調達することができます。

例えば、新株を発行して資金を集める「公募増資」などが可能です。

しかし、非上場企業は株式を公開していないため、このような資金調達手段を利用できません。

そのため、資金調達の方法としては以下のような手段が主に使われます。

  1. 銀行融資:金融機関からの借入。ただし、一定の担保や信用が必要。
  2. 自己資金の活用:創業者やオーナーが個人資産を投じるケース。
  3. ベンチャーキャピタル(VC)や投資ファンド:投資家から出資を受けるが、経営権を譲る可能性もある。
  4. M&A(企業買収)による資金調達:大手企業の傘下に入ることで成長資金を確保する。

これらの手段を駆使することで資金調達は可能ですが、上場企業と比べると資金を集めるハードルが高いことは否めません。

そのため、成長スピードを求める企業にとっては、上場の選択肢を検討することも重要になります。

非上場のデメリット② 企業の知名度が上がりにくい

非上場企業は、上場企業と比べて知名度を上げにくい傾向があります。

上場企業は、証券市場で株式が取引されるため、投資家やメディアの注目を集めやすくなります。

また、四半期ごとの決算発表やIR(投資家向け広報)活動を通じて、企業情報が広く公開されるため、自然と知名度が向上します。

しかし、非上場企業の場合、企業の情報があまり公開されないため、世間一般の認知度が低くなりがちです。

そのため、優秀な人材を採用する際や、新規の取引先を開拓する際に、不利になることがあります。

例えば、新卒採用市場において、上場企業は「安定している」というイメージがあるため、学生からの応募が多く集まります。

一方、非上場企業は「将来性が不透明」という印象を持たれやすいため、採用活動に苦戦するケースもあります。

この問題を解決するために、非上場企業は以下のような施策を取ることが重要です。

  • SNSやWebマーケティングを活用して企業の認知度を高める
  • 業界内でのプレゼンスを高めるために、展示会やカンファレンスに参加する
  • 社員の口コミやリファラル採用(紹介採用)を活用する

非上場企業はどんな会社が多い?

非上場企業には、以下のような企業が多く存在します。

  1. 同族経営の企業:オーナー一族が経営を続ける企業(例:サントリー、ロッテ)
  2. 大企業の子会社:親会社が上場していても、子会社は非上場のケースが多い(例:トヨタの一部子会社)
  3. ベンチャーキャピタルなどの出資を受けていない企業:自己資金で運営する企業が該当
  4. グローバル企業:海外では株式を公開しているが、日本では非上場の企業(例:イケア)

特に、創業者が経営の理念を大切にしたい場合や、短期的な株価の変動に左右されずに事業を行いたい場合に、非上場という選択肢が取られることが多いです。

未上場企業のメリットとデメリット

未上場のメリット① 成長過程で自由な経営が可能

未上場企業は、まだ株式を公開していないため、経営の意思決定を自由に行いやすいというメリットがあります。

特にスタートアップや中小企業の場合、事業の方向性を柔軟に変更できることが成長の鍵になります。

上場企業のように株主の意向に左右されることがないため、新しい市場への参入や新規事業の立ち上げがスピーディーに行えます。

例えば、未上場のIT企業が新しいアプリを開発した場合、リスクを取って試験的に市場投入することができます。

一方、上場企業では、株主の意見を考慮しなければならず、慎重な意思決定が求められるため、新しいチャレンジがしにくいことがあります。

また、未上場企業は決算情報の開示義務がないため、競合他社に経営戦略が知られるリスクが低い点もメリットの一つです。

特に、急成長を目指すベンチャー企業にとって、情報を非公開にできることは競争優位性を保つ上で有利に働きます。

未上場のメリット② 将来的なIPOの可能性

未上場企業は、将来的にIPO(新規株式公開)を目指すことで、大きな資金調達のチャンスを得られる可能性があります。

IPOを達成すると、証券取引所を通じて多くの投資家から資金を集めることができるため、事業の拡大が加速します。

特に、成長産業に属する企業や革新的な技術を持つ企業は、IPOによって一気に市場での影響力を高めることができます。

例えば、日本のメルカリは未上場の時期に積極的に資金調達を行い、最終的にIPOを果たして大きく成長しました。

このように、未上場の段階でしっかりと事業基盤を築き、適切なタイミングで上場することで、さらなる成長が可能になります。

ただし、IPOを目指す場合、上場審査をクリアするための準備が必要です。

財務状況の透明性を高めることや、コンプライアンスを徹底することが求められるため、未上場企業の段階でしっかりと準備を進めることが重要です。

未上場のデメリット① 資金調達の手段が限られる

未上場企業は、上場企業のように株式市場を通じた資金調達ができないため、資金繰りが難しくなることがあります。

資金調達の主な方法としては、以下のような手段が考えられます。

  1. 銀行融資:金融機関からの借入。ただし、信用力が低いと融資が受けにくい。
  2. ベンチャーキャピタル(VC)からの出資:投資家から資金を調達。ただし、経営権の一部を譲渡する必要がある。
  3. エンジェル投資家:個人投資家からの資金提供。特にスタートアップに多い。
  4. クラウドファンディング:インターネットを活用した資金調達方法。新しいビジネスモデルを持つ企業が活用することが多い。

未上場企業は、これらの手段を駆使して資金を集める必要がありますが、経営者の信用力や事業計画の説得力が求められるため、調達のハードルが高いのが現実です。

未上場のデメリット② 信用力が上場企業より低い

未上場企業は、上場企業に比べて社会的な信用力が低くなる傾向があります。

例えば、取引先企業が未上場企業との取引を敬遠するケースもあります。

特に、大手企業はリスク管理の観点から、上場企業を優先することが多いため、未上場企業は新規の取引先を開拓する際に苦労することがあります。

また、銀行融資を受ける際も、上場企業に比べて信用力が低いため、融資の条件が厳しくなることがあります。

例えば、上場企業なら無担保で融資を受けられるケースでも、未上場企業の場合は担保を求められることが多くなります。

このような信用力の問題を克服するためには、以下のような工夫が必要です。

  • 財務状況を透明にし、取引先に安心感を与える
  • 第三者機関の信用評価(例:格付け機関のレポート)を取得する
  • 実績を積み重ね、事業の信頼性を高める

未上場企業はどんなビジネスモデルが多い?

未上場企業には、以下のようなビジネスモデルを持つ企業が多いです。

  1. スタートアップ企業:革新的な技術やビジネスモデルを持ち、急成長を目指す企業。
  2. ファミリービジネス(同族経営):創業家が経営権を保持し、非上場のまま運営する企業。
  3. 地域密着型企業:地域に根ざした事業を展開し、上場せずに安定経営を続ける企業。
  4. ニッチ市場向け企業:特定の業界に特化し、限られた市場で高いシェアを獲得する企業。

特にスタートアップ企業は、未上場の段階で積極的に投資を受け、成長を加速させることが多いです。

そのため、ベンチャーキャピタルなどとの関係が重要になります。

非上場・未上場企業の資金調達方法とは?

自己資金での運営

非上場・未上場企業にとって、最も基本的な資金調達方法が自己資金の活用です。

自己資金とは、創業者や経営陣が個人的に持っている資産を会社の運営に充てることを指します。

例えば、貯金を使ったり、不動産を売却して資金を作るケースがあります。

また、事業で得た利益を再投資することで、資金を増やしながら成長を目指す企業も多いです。

自己資金のメリット

  • 外部の投資家や銀行からの借入がないため、経営の自由度が高い
  • 負債を抱えずに運営できるため、財務の健全性を保ちやすい
  • 株主が少ないため、利益を経営者自身の裁量で使える

自己資金のデメリット

  • 資金が限られるため、事業拡大のスピードが遅くなる可能性がある
  • 一度自己資金を使い切ると、新たな資金調達の手段を考えなければならない
  • 大きな事業投資が必要な場合、自己資金だけでは足りないことが多い

特にスタートアップや成長を目指す企業にとっては、自己資金だけでは十分な資金が確保できないことが多いため、他の調達方法と併用するのが一般的です。

銀行融資を活用する方法

銀行融資は、非上場・未上場企業にとって最も一般的な資金調達方法の一つです。

銀行からの融資を受けることで、一定の資金を確保しながら、経営のコントロールを維持できるというメリットがあります。

特に、既に事業実績がある企業は、銀行からの信用を得やすくなります。

銀行融資の種類

  • 運転資金の融資:日々の事業運営に必要な資金を借りる
  • 設備資金の融資:新しい機械や店舗の購入など、長期的な投資に使う資金を借りる
  • 信用保証協会の保証付き融資:信用力が低い企業でも借りやすくなる制度

銀行融資のメリット

  • 一定額の資金を確保しやすい(上場しなくても借入が可能)
  • 経営権を手放す必要がない(出資を受ける場合と違い、株式の譲渡が不要)
  • 返済計画を立てやすく、財務管理がしやすい

銀行融資のデメリット

  • 融資を受けるためには、信用力や担保が必要
  • 金利が発生するため、長期的に見ればコストがかかる
  • 創業初期や成長フェーズでは、銀行からの融資が受けにくいケースもある

特に、未上場企業は銀行にとってリスクが高いと判断されることが多いため、しっかりとした事業計画書を作成し、銀行に信頼される経営を行うことが重要です。

ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家の活用

成長を目指す未上場企業にとって、ベンチャーキャピタル(VC)やエンジェル投資家からの資金調達は重要な選択肢の一つです。

ベンチャーキャピタルとは、成長性の高い企業に投資を行い、IPO(新規上場)やM&A(企業買収)によって利益を得ることを目的とする投資会社です。

エンジェル投資家とは、個人でスタートアップや未上場企業に投資を行う富裕層の投資家のことを指します。

ベンチャーキャピタル・エンジェル投資家のメリット

  • 大きな資金を調達できるため、事業拡大のスピードを加速できる
  • 投資家のネットワークや経営ノウハウを活用できる
  • 上場やM&Aを目指す企業にとっては、将来的な成長戦略につながる

ベンチャーキャピタル・エンジェル投資家のデメリット

  • 経営の自由度が下がる可能性がある(投資家が経営に関与することがある)
  • 成長を求められるため、短期間での成果を出さなければならない
  • 出資比率によっては、経営権を奪われるリスクもある

特に、スタートアップ企業はベンチャーキャピタルからの資金調達を受けることが多いですが、その分、成長プレッシャーも大きくなるため、慎重な判断が必要です。

クラウドファンディングによる資金調達

近年、クラウドファンディング(Crowdfunding)を活用した資金調達も増えています。

クラウドファンディングとは、インターネットを通じて多くの個人から少額の資金を集める方法です。

代表的なプラットフォームとして、CAMPFIRE、Makuake、READYFOR などがあります。

クラウドファンディングのメリット

  • 広く一般の人々から資金を集められるため、知名度向上にもつながる
  • 金融機関からの融資を受けにくい企業でも資金調達が可能
  • 事前に市場の反応をテストできる(需要の有無を確認できる)

クラウドファンディングのデメリット

  • 成功するためには、魅力的なプロジェクトやプロモーションが必要
  • 確実に資金を集められる保証がない
  • 支援者に対するリターンを適切に設計する必要がある

特に、新しい製品やサービスを開発する企業にとっては、クラウドファンディングはマーケティングと資金調達を同時に行える便利な手段です。

M&A(企業買収・合併)を活用する方法

未上場企業の中には、他の企業と合併することで成長資金を確保するケースもあります。

M&A(Mergers and Acquisitions)とは、企業の合併や買収を指し、大手企業の傘下に入ることで資金や経営資源を確保することが目的です。

M&Aのメリット

  • 資金調達だけでなく、経営基盤の強化や新市場への参入が可能
  • 経営者が一定のキャッシュ(売却益)を得られる
  • 企業ブランドや販路を活用できる

M&Aのデメリット

  • 経営の独立性が失われる可能性がある
  • 企業文化の違いによる統合の難しさ

非上場・未上場企業は上場を目指すべき?判断ポイントを解説

企業の成長フェーズと上場の関係

企業の成長フェーズによって、上場を目指すべきかどうかの判断基準は変わります。

一般的に、企業の成長フェーズは以下のように分類されます。

成長フェーズ 特徴 上場の必要性
創業期 ビジネスモデルの構築、試作品開発、初期の顧客獲得 低(自己資金やエンジェル投資家で対応可能)
成長期 売上拡大、組織の拡充、新市場開拓 中(ベンチャーキャピタルや銀行融資を活用)
拡大期 全国展開・海外進出、ブランド強化、大規模投資 高(IPOによる資金調達が必要になる可能性あり)
成熟期 安定的な売上、競争力の維持、M&Aの活用 企業の方針による(上場継続 or 非上場化も検討)

このように、企業の成長フェーズによって、上場が必要かどうかが異なるため、自社の状況を正しく分析することが重要です。

上場のメリットとデメリットを整理

上場には多くのメリットがありますが、一方でデメリットも存在します。

上場のメリット

  1. 大規模な資金調達が可能

    • 証券市場を通じて多くの投資家から資金を集めることができる。
    • 大型の設備投資や研究開発などに活用可能。
  2. 企業の知名度が向上し、信用力が高まる

    • 上場企業は社会的な信用が高くなり、新規の取引先や人材採用で有利になる。
    • メディアに取り上げられやすくなるため、ブランド力が強化される。
  3. 株式市場を利用した資金調達が可能になる

    • 公募増資や社債発行など、多様な資金調達の手段が選べる。
    • 企業価値を市場で評価してもらえるため、成長戦略が立てやすい。
  4. M&Aの手段が広がる

    • 上場企業は株式交換を利用したM&Aが可能になるため、他社との提携がしやすくなる。

上場のデメリット

  1. 上場準備の負担が大きい

    • 財務の透明性確保、ガバナンス強化、法的手続きなど、多くの準備が必要。
    • 日本取引所グループ(JPX)の上場基準をクリアしなければならない。
  2. 株主の意向に左右される

    • 株主の要求に応じた配当政策が求められるため、短期的な利益を優先する必要が出てくる。
    • 経営方針を変更せざるを得ないケースもある。
  3. 敵対的買収のリスクが高まる

    • 株式が市場で取引されるため、外部の企業が大量に株を取得し、経営権を奪われる可能性がある。
  4. コストが増加する

    • 上場企業は決算報告やIR活動など、コストが増加する。
    • 監査法人や証券会社との契約費用も発生する。

上場するための準備と要件

上場を目指す企業は、以下の要件を満たす必要があります。

上場基準(東京証券取引所の例)

項目 プライム市場 スタンダード市場 グロース市場
時価総額 100億円以上 10億円以上 5億円以上
株主数 800人以上 400人以上 150人以上
収益性 連結純資産10億円以上 連結純資産5億円以上 成長可能性の高い企業

また、上場審査では以下の点も重視されるため、事前の準備が必要です。

  • ガバナンス体制の整備(社外取締役の設置、リスク管理体制の構築)
  • 財務の透明性(会計監査を受け、適切な開示を行う)
  • 安定した経営基盤(特定の取引先や事業に依存しすぎないこと)

上場を目指す企業に求められること

  1. 明確な成長戦略を持つ

    • IPOはゴールではなく、企業成長のための手段。上場後の成長戦略を明確にすることが重要。
  2. 財務の健全性を確保する

    • 収益性やキャッシュフローの安定性が求められる。赤字続きの企業は上場が難しい。
  3. コンプライアンスを徹底する

    • 内部統制や法令遵守の体制を整え、不正やガバナンスリスクを防ぐ。
  4. 投資家向けの情報発信を強化する

    • 上場企業は投資家向けのIR活動が必須。適時開示や決算説明会を行い、透明性を高める。

非上場・未上場のまま成功する企業の特徴

一方で、必ずしも上場することが最良の選択肢とは限りません

例えば、以下のような企業は非上場のまま成功するケースが多いです。

企業タイプ 非上場を選ぶ理由
同族経営の企業 経営権を維持し、株主の干渉を避けたい
大企業の子会社 親会社の意向で上場しないケースが多い
ブランド力のある企業 サントリーやロッテのように、上場しなくても知名度がある
高利益率の企業 外部からの資金調達が不要で、自己資金で成長できる

例えば、サントリーは創業家の意向で非上場を維持し、長期的な経営戦略を推進しています。

また、イケアも非上場のままグローバル展開を成功させた企業の一例です。

まとめ

  • 上場には大きなメリットがあるが、デメリットもあるため慎重に判断することが重要
  • 企業の成長フェーズや資金調達のニーズに応じて、上場を目指すか決めるべき
  • 必ずしも上場が成功の条件ではなく、非上場のまま成功する企業も多い

まとめ

この記事では、「非上場企業と未上場企業の違い」について詳しく解説しました。

この記事のポイント

「非上場」と「未上場」は似ているが意味が異なる

  • 非上場企業:最初から上場しない、または上場をやめた企業(例:サントリー、ロッテ)
  • 未上場企業:まだ上場していない企業(例:成長途中のスタートアップ)

非上場企業のメリット・デメリット

  • メリット:経営の自由度が高い、株主の影響を受けにくい
  • デメリット:資金調達が難しい、企業の知名度が上がりにくい

未上場企業のメリット・デメリット

  • メリット:柔軟な経営が可能、IPO(上場)のチャンスがある
  • デメリット:資金調達の手段が限られる、信用力が低い

非上場・未上場企業の資金調達方法

  • 自己資金・銀行融資:財務の安定性を重視する場合に有効
  • ベンチャーキャピタル・エンジェル投資家:急成長を目指す場合に適している
  • クラウドファンディング:市場の関心を引きながら資金を集められる
  • M&A(企業買収・合併):大企業の傘下に入ることで資金を確保する

上場すべきか?非上場のままでいるべきか?

  • 上場のメリット:大規模な資金調達、信用力の向上、M&Aの活用が可能
  • 上場のデメリット:株主の影響を受ける、上場準備が大変、コストが増える
  • 非上場のまま成功する企業も多い(例:サントリー、イケア、ロッテ)

企業の成長フェーズや事業モデルに応じて、上場を目指すかどうかを慎重に判断することが大切です。

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