名前に「結」を含むと、どうして心配されるのでしょうか?
「結ぶ」という言葉が「終わり」と捉えられることがあり、そのため「結」と名づけられたお子さんが最後の子どもになると考える方もいるのです。
「結」には「つなぐ」というポジティブなイメージがありますよね。
女の子の名前として人気がありますが、一部には「結を名前にするには、よくない」という意見もあります。
そこで今回は、以下の点についてお話しします。
- 名前に「結」はよくない3つの懸念
- 「結」という漢字の意味と背景
- 名付けの際の親の思い
- 名付ける際の注意点
- 「結」の名前の現在の人気度
この記事を読むことで、「結」という名前に関する様々な見方や対策を理解できるでしょう。
名前に「結」はよくない3つの懸念
名前に「結」を選ぶ際に心配されることは主に3つあります。
- 「結ぶ」が「終わり」を意味することがある
- 仏教では煩悩の束縛を表すことがある
- 読み方が複数あり紛らわしいことがある
「結ぶ」が「終わり」を意味することがある
「結」という文字は、次のような熟語にも使われます。
- 結末:話や出来事の最後
- 完結:物事が完全に終わること
- 終結:物事が終わること
- 凍結:計画や交渉などを一時停止すること
- 結了:すべてが終わること
このように、「結」を名前に含めると、その子が「最後の子ども」という意味になると解釈されることがあります。
例えば、長女や長男に「結」という名前を付けると、その家族にこれ以上子どもが生まれないと考えられるかもしれません。
そのため、もし第二子や第三子を望む祖父母がいる場合、初孫に「結」という名前を付けると、不吉なことだと考えられる可能性があります。
「再スタート」という見方も
「試合終了のホイッスルは、次の試合へのキックオフの笛である」という言葉があります。
これは、日本サッカーの父と称されるクラマー氏の言葉です。これはスポーツの試合だけでなく、あらゆる物事に適用できる教訓です。
すべての始まりには終わりがあり、終わりには新たな始まりがあるということです。
したがって、「結」という文字が物事の終わりを意味するとしても、それは必ずしもネガティブなことではなく、再スタートのための一歩と捉えることもできます。
仏教では煩悩の束縛を表すことがある
名前に「結」が好ましくないとされる理由の一つに、「仏教で煩悩の束縛として解釈されることがある」という点があります。
「結」という文字は、仏教では衆生を輪廻に縛りつける「束縛」としての煩悩を意味します。
このため、人は苦しみに満ちた生を繰り返すことになるとされています。
仏教に詳しい方や、それに親しんでいる方からすれば、「結」のイメージが良くないこともあるかもしれません。
ただし、一般的にはあまり知られていない事実なので、特に気にする必要はないと思います。
読み方が複数あり紛らわしいことがある
名前に「結」を使う場合、その読み方が複数あるため紛らわしいという問題があります。
「結」は以下のように3種類の読み方があります。
- 「ゆ」
- 「ゆい」
- 「ゆう」
例えば、「結香」は「ゆか」「ゆいか」「ゆうか」と読むことができます。
ふりがながなければ、どの読み方が正しいか分かりません。
子供が一生の中で何度も読み間違えられ、そのたびに訂正するという苦労を強いられる可能性があります。
このような将来のことを考えると、「結」の名前に慎重になる親の気持ちも理解できます。
「結」という漢字の意味と背景
「結」という漢字は、対象物を繋ぎ合わせるという意味を持っています。
また、結果や結論といった用語にも使用され、物事を一つにまとめることを表します。
この漢字の起源は、物をしっかりと結びつける行為にあり、古くから人間関係や約束を固く結ぶことを象徴していました。
結婚や結末など、何かが一体となる様子を示す言葉としても用いられます。
「結」は、心温まる重要な結びつきを象徴する漢字としても親しまれています。
子供の名前に「結」を選ぶ親の願い
子供の名前に「結」という漢字を選ぶ親の願いは、お子さんが他人と深い絆を築き、幸せな人間関係を育むことを願っていることでしょう。
また、「結果」や「結論」のように、物事をしっかりと成し遂げる力を持つことを期待しているかもしれません。
親は、お子さんが周りの人々と心を通わせ、支え合いながら成長していくことを望んでいます。
子供の名前には、親の深い愛情と未来への願いが込められています。
名前に「結」を含める際の配慮ポイント
お子さんの名前に「結」を取り入れる際は、以下の点に注意することで、余計な心配を避けることができます。
- 周りの人への説明を心がける
- 名付けの背景をはっきりさせる
- 読みやすさを考慮する
周りの人への説明を心がける
「結」という名前を長男や長女に付けると、「これ以上子どもがいない」と解釈されることがあります。
しかし、このような考えは一般的ではありません。
「結」には「再スタート」という意味もあることを冷静に説明し、理解を求めましょう。
名付けの背景をはっきりさせる
もし「結」と名付けたお子さんが、「結って煩悩の意味があるから、苦しい人生になるんだって」と言われたらどうしましょう?
このような場合でも、「結」を選んだしっかりした理由があれば、反論が可能です。
例えば、以下のような親の願いを「結」に込めているかもしれません。
- 周りの人との結びつきを大切にする子になってほしい
- 努力が実を結び、立派な人になってほしい
- 人生を共に歩める人と縁を結べるように
お子さんが「結」の文字を誇りに思い、自信を持てるように、親がしっかりとサポートすることが大切です。
読みやすさを考慮する
「結」という漢字は、他の漢字と組み合わせると、3つの異なる読み方ができることがあります。
読み間違いを避けるためには、一般的に「一つの読み方しかできない名前」を選ぶのが良いでしょう。
例えば、以下のような組み合わせは、一つの読み方に絞られます。
- 結衣:ゆい
- 結伊:ゆい
- 結月:ゆづき
- 結真:ゆうま
- 結大:ゆうだい
- 結耶:ゆうや
- 結弦:ゆづる
- 結良:ゆら
- 麻結:まゆ
- 咲結:さゆ
- 亜結花:あゆか
ただし、珍しい漢字を使うと、名前がキラキラネームになってしまう可能性もあるので、バランスを考えることが大切です。
現在の「結」という名前の人気度
「結」という漢字がどれほど人気があるのか、下記の情報を基にしてみましょう。
- 赤ちゃんの命名ランキング
- 「結」を含む有名人の名前
赤ちゃんの命名ランキング
前年に生まれた赤ちゃんの命名において、どの漢字が多く使われたかを調査する機関があります。
そのランキングにおいて、「結」を含む名前はどのような順位になっているでしょうか。
女の子の場合:
4位:結愛
5位:結菜
9位:結月
29位:結衣、心結
59位:結葵、結心
72位:結花、結乃
91位:結、結音、結彩、結凪、美結
男の子の場合:
13位:結翔
34位:結斗
女の子の名前としては14種類がランクインしており、さまざまな文字との組み合わせや読み方のバリエーションがあるため、人気があるようです。
「結」を含む有名人の名前
メディアでよく見かける有名人の中で、「結」が名前に入っている方々を選んでみました。
男性有名人
- 百瀬 結(ももせ ひとし):実業家
- 植草 結樹(うえくさ ゆうき):アナウンサー
- 友利 結(ともり ゆい):元プロ野球選手
- 野上 結貴(のがみ ゆうき):プロサッカー選手
- 羽生 結弦(はにゅう ゆづる):フィギュアスケート選手
女性有名人
- 伊藤 結花理(いとう ゆかり):漫画家
- 川村 結花(かわむら ゆか):作詞家、作曲家
- 夏川 結衣(なつかわ ゆい):女優
- 岡田 結美子(おかだ ゆみこ):囲碁棋士
- 辻 結花(つじ ゆか):総合格闘家
- 竹内 結子(たけうち ゆうこ):女優
- 金野 結子(こんの ゆいこ):サッカー選手
- 安川 結花(やすかわ ゆか):女優
- 波多野 結衣(はたの ゆい):女優
- 新垣 結衣(あらがき ゆい):女優
- 山戸 結希(やまと ゆうき):映画監督
- 中川 結麻(なかがわ ゆま):元野球選手
- 三田 結菜(みた ゆいな):ドラムボーカリスト
- 草彅 結(くさなぎ ゆい):元バスケットボール選手
- 矢端 名結(やばた みゆ):アナウンサー
- 上地 結衣(かみじ ゆい):車いすテニス選手
- 坂野 結衣(さかの ゆい):レスリング選手
- 髙畑 結希(たかはた ゆうき):アイドルグループ・SKE48のメンバー
- 住本 結花(すみもと ゆか):アナウンサー
- 籾木 結花(もみき ゆうか):サッカー選手
- 安齋 結花(あんざい ゆか):サッカー選手
- 黒島 結菜(くろしま ゆいな):女優
- 神志那 結衣(こうじな ゆい):アイドルグループ・HKT48のメンバー
- 小川 結夏(おがわ ゆうか):アイドルグループ・NMB48の元メンバー
- 水野 由結(みずの ゆい):シンガー、ダンサー、アイドル
- 岡田 結実(おかだ ゆい):女優、ファッションモデル
- 樋渡 結依(ひわたし ゆい):アイドルグループ・AKB48の元メンバー
「結」という文字を名前に持つ有名人は女性に多いですが、男性にも使われています。
女性では漫画家や女優、アイドルなど多岐にわたり、「結」が名前に含まれる方々が活躍しています。
一方、男性では実業家やスポーツ選手など、やはり「結」を名前に持つ有名人が見られます。
このことから、「結」は女性に多く使われる傾向があるものの、男性の名前としても選ばれていることがわかります。
まとめ:「結」を含めた名前について
「結」という名前が好ましくないとされることには、主に以下の3つの理由があります。
- 「結ぶ」が「終了」を意味すると解釈されることがある。
- 仏教では、「結」が煩悩の束縛を表すとされることがある。
- 「結」を含む名前の読み方が複数あって紛らわしいことがある。
これらの理由から、「結」という名前に対する懸念があるものの、年配の方々が気にすることはあっても、若い世代にはそれほど問題視されないことも多いでしょう。
親世代からの反対意見があったとしても、しっかりとした説明をすれば理解を得られることが期待できます。
また、名前の読み方に関しては、選び方に注意することで、混乱を避けることが可能です。